物損事故

物損事故とは、交通事故のうち、人に死傷がなく、自動車、バイク、自転車や着衣、電柱や民家の塀、ガードレールなどの器物に損壊が生じた事故のことをいいます。交通事故のもう1つの種類は、人身事故です。

物損事故は、上記のような器物の損壊だけではなく、仮にケガの発生した事故でも警察に傷害の申告がなされていない事故は、すべて物損事故の扱いとなってしまいます。

物損事故自賠責保険の適用がありません。賠償額が任意保険の限度額の範囲内ならば任意保険から、限度額を超えた場合には加害者の財産から賠償してもらうことになります。

<自賠責保険との関係>
  1 人身事故の場合・・・自賠責保険から120万円(死亡時は3000万円)まで受け取れます。
  2 物損事故の場合・・・自賠責保険に賠償請求ができません。

物損事故は、人身損害の場合と比べて、損害額が大きくないことが少なくなく、被害回復にかかる費用、労力の面から、これまでは被害者が泣き寝入りを余儀なくされたことが少なくなかったといわれています。

しかし、弁護士保険・弁護士特約の登場によって、弁護士費用の負担を大きく気に掛けることなく、適正な被害の賠償を受けられることになったといわれています。

<加害者からの物損扱いの申し入れへの対応>
人身事故の交通事故が発生した場合でも、被害者の怪我が大きくないような場合、加害者が「きちんと賠償をするので、物損事故扱いにしてくれませんか」と、申し入れてくる場合がありますが、注意が必要です。

そもそも、なぜ、加害者は人身事故ではなく、「物損事故」扱いにしたがるのでしょうか。その主な理由は、物損事故は、刑事処分も行政処分もいずれの処分も受けないためと思われます(建造物(住居・お店)へ突っ込んだ場合や当て逃げ等は除く)。人身事故になると罰金を受けたり、減点措置を受けます。

この申し出に安易に応じた場合、後日、後遺障害の認定に影響したり、任意保険会社から治療費の請求を受けられなかったり、思わぬ不利益が生じる可能性があるため、注意が必要です。