就労可能年数

就労可能年数とは、交通事故を原因とする死亡(死亡事故)による「逸失利益」を算定するために用いるもので、仮に交通事故がなかった場合、被害者の方があとどのくらいの期間働くことができたか、ひいてはどの程度の収入を得ることができたはずかを考える上で欠かせない計算のことをいいます。

交通事故損害賠償の実務においては、就労可能年数は、一般的に67歳までを就労可能と考えられています。
したがって、原則として、死亡時から67歳までが就労可能年数となります。67歳を就労可能年数とすることは、
昭和40年の第12回生命表の0歳男子の平均余命から導いた数字といわれています。

もっとも、上記のような考え方を取っても、実際には67歳を超えても仕事をして収入を得ている人も少なからずいることから、67歳を超える人等については、この原則を修正し、67歳までの年数と平均余命の2分の1とのいずれか大きい方を、就労可能年数とするのが実務です。

また、就労可能年数の算定における、就労の始期は、被害者が未就労者である場合は18歳とされますが、大学生の場合は大学卒業時とされます。

逸失利益は毎月請求するものではなく、現時点での価値を評価して一括で請求を行います。現在の価値に置き換えるためには、5%利率を複利計算で控除します。これを加味した係数がライプニッツ係数と呼ばれ、逸失利益の計算に利用されています。

<就労可能年数の例外>
18歳未満の場合
18歳未満の場合には、通常であれば仕事をしていない状態であり、18歳(大学を卒業する予定の場合は22歳)から仕事に就くと考えます。

高齢者の場合
就労可能年数が簡易生命表の平均余命年数の半分以下になる場合には、平均余命年数の半分を適用します。

むちうちと第12級・第14級
後遺症がむちうちであった場合は、一生涯ではなく一定期間だけ労働能力が失われると考えられるため、最近では労働能力喪失期間に制限を設け、就労可能年数を調整する傾向にあります。第12級に認定されている場合には、5年から10年、第14級の場合には、5年以下となることが多いでしょう。